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養育費の相場は?年収別の目安と計算シミュレーション

ペア育児編集部|監修: 弁護士(家族法専門)10分

養育費の相場を正しく理解する重要性

養育費は子どもの健全な成長を支えるための経済的基盤であり、子どもの権利として法的に保障されています。しかし、適正な養育費の金額がどの程度なのか、多くの方が正確に把握できていないのが現状です。厚生労働省の調査によれば、養育費の取り決めをしている母子世帯は全体の約42%にとどまり、さらに実際に受け取れている世帯はその中の一部に限られています。

養育費の金額は、支払義務者(主に別居親)と権利者(主に同居親)の年収、子どもの人数と年齢によって決まります。裁判所が公表している「養育費算定表」が最も一般的な算定基準であり、調停や裁判でもこの算定表が参考にされます。

本記事では、代表的な年収パターン(300万円、500万円、700万円、1000万円)ごとに、子どもの人数別の養育費の目安をシミュレーションします。これから養育費の取り決めを行う方、現在の養育費が適正かどうかを確認したい方は、ぜひ参考にしてください。

養育費算定表の基本的な見方

養育費算定表は、裁判所が公表している養育費の目安を示す早見表です。縦軸に支払義務者の年収、横軸に権利者の年収を取り、交差する範囲が養育費の月額目安となります。算定表は「子ども1人(0~14歳)」「子ども1人(15歳以上)」「子ども2人」「子ども3人」など、子どもの人数と年齢の組み合わせごとに用意されています。

年収の算定方法には注意が必要です。給与所得者の場合は源泉徴収票の「支払金額」(税込年収)を使用します。自営業者の場合は確定申告書の「課税される所得金額」に実際には支出していない控除項目(基礎控除、青色申告特別控除など)を加算した金額を使用します。自営業者と給与所得者では同じ年収でも養育費の目安が異なるため、正しい区分で算定表を参照してください。

算定表はあくまで「目安」であり、個別の事情に応じて調整されることがあります。子どもの私立学校の学費、特別な医療費、障害のある子どもへの追加的なケア費用などは、算定表の金額に上乗せされることがあります。

年収300万円・500万円の場合の養育費シミュレーション

支払義務者の年収が300万円(給与所得者)の場合の養育費目安を見ていきましょう。権利者の年収が0円のとき、子ども1人(0~14歳)で月額2~4万円、子ども2人(いずれも0~14歳)で月額4~6万円、子ども3人で月額4~6万円が目安です。権利者の年収が100万円の場合は、それぞれ月額2~4万円、2~4万円、4~6万円程度に調整されます。

支払義務者の年収が500万円(給与所得者)の場合、権利者の年収が0円のとき、子ども1人(0~14歳)で月額6~8万円、子ども2人で月額8~10万円、子ども3人で月額10~12万円が目安となります。権利者の年収が200万円の場合は、子ども1人で月額4~6万円、子ども2人で月額6~8万円、子ども3人で月額8~10万円程度です。

年収300万円台の場合は2026年4月施行の法定養育費(子ども1人あたり月額2万円)との差が比較的小さいですが、年収500万円台になると算定表に基づく適正額は法定養育費を大きく上回ります。法定養育費はあくまで最低保障であり、子どもの生活水準を維持するためには算定表に基づく合意が重要です。

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年収700万円・1000万円の場合の養育費シミュレーション

支払義務者の年収が700万円(給与所得者)の場合、権利者の年収が0円のとき、子ども1人(0~14歳)で月額8~10万円、子ども2人で月額12~14万円、子ども3人で月額14~16万円が目安です。権利者の年収が200万円の場合は、子ども1人で月額6~8万円、子ども2人で月額10~12万円、子ども3人で月額10~14万円程度となります。

支払義務者の年収が1000万円(給与所得者)の場合は、さらに高額になります。権利者の年収が0円のとき、子ども1人(0~14歳)で月額12~14万円、子ども2人で月額16~20万円、子ども3人で月額18~22万円が目安です。権利者の年収が200万円の場合は、子ども1人で月額10~12万円、子ども2人で月額14~18万円、子ども3人で月額16~20万円程度です。

高年収のケースでは、算定表の金額に加えて、子どもの教育費(私立学校、塾、習い事)の追加分担が問題になることが多いです。算定表は公立学校を前提とした金額のため、私立学校に通う場合は別途協議が必要です。教育費の負担割合は、双方の年収比に応じて決めるのが一般的です。

養育費の計算で考慮すべき特別な事情

算定表の金額はあくまで標準的な目安であり、実際の養育費は個別の事情を考慮して調整されます。代表的な調整要因として、子どもの医療費があります。慢性疾患や障害がある子どもの場合、通常以上の医療費がかかるため、その分を算定表の金額に上乗せすることが認められています。

住宅費の負担も重要な調整要因です。権利者が住宅ローンのある家に居住している場合や、支払義務者が権利者の住居費を負担している場合は、養育費の金額に影響します。また、再婚した場合や新たな子どもが生まれた場合は、養育費の減額が認められることがあります。

2026年4月の共同親権施行後は、面会交流の頻度が養育費に影響する可能性も出てきます。例えば、子どもが月の半分程度を別居親の家で過ごす場合、養育費の金額が調整されることがあり得ます。共同親権の下では、養育費と面会交流を総合的に考慮した合意形成がより重要になります。

適正な養育費の合意と管理の方法

養育費の金額を決める際は、算定表を参考にしつつ、子どもの具体的なニーズ(教育費、医療費、習い事の費用など)を加味した協議を行いましょう。合意内容は必ず書面に残し、できれば公正証書にしておくことをお勧めします。公正証書にすることで、万が一の不払い時に強制執行が可能になります。

養育費の支払いと受領の記録を継続的に管理することも重要です。支払い漏れの防止、将来的な増額・減額請求の際の証拠として、正確な記録が役立ちます。銀行振込による支払いを基本とし、振込明細を保管しておきましょう。

ペア育児の費用管理機能を活用すれば、養育費の支払い記録を自動的に管理し、月次レポートをPDFで出力することが可能です。また、AI養育費計算機能により、最新の算定表に基づいた適正額のシミュレーションも行えます。なお、関連する情報として【養育費算定表の見方と計算方法【2026年最新版】】、法定養育費とは?月2万円の最低保障制度を解説養育費の減額・増額が認められるケースと手続きの記事もあわせてご参照ください。

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