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共同親権の海外事例|アメリカ・ドイツ・韓国の制度比較

ペア育児編集部|監修: 弁護士(家族法専門)9分

世界の共同親権制度|日本は後発国

共同親権は世界24カ国以上で導入されており、先進国では日本が最後発の一つです。2026年4月の改正民法施行により、日本もようやく国際標準に追いつく形となります。

各国の制度はそれぞれ歴史的背景や文化的事情を反映しており、一様ではありません。この記事では、アメリカ・ドイツ・韓国の3カ国を中心に、共同親権制度の具体的な運用と日本への示唆を解説します。

アメリカの共同親権|州ごとに異なる運用

アメリカでは1970年代から共同親権(Joint Custody)の導入が進み、現在は全50州で何らかの形で共同親権が認められています。多くの州では、裁判所が共同親権を「推定(presumption)」として扱い、特別な理由がない限り共同親権が原則となっています。

アメリカの特徴は「法的親権(Legal Custody)」と「身体的親権(Physical Custody)」を分けている点です。法的親権は教育・医療などの重要な意思決定権、身体的親権は子どもの居住に関する権利を指します。両方を共同にする場合と、法的親権のみ共同にする場合があります。

運用面では「ペアレンティング・プラン(養育計画書)」の作成が義務づけられている州が多く、面会交流スケジュール、意思決定の方法、紛争解決手順などを詳細に定めます。この養育計画書は裁判所に提出され、法的拘束力を持ちます。

ドイツの共同親権|原則共同・例外単独

ドイツでは1998年の親子法改正により、離婚後も原則として共同親権(gemeinsames Sorgerecht)が維持される制度に移行しました。単独親権にするには、一方の親が家庭裁判所に申し立て、子の福祉のために必要であることを証明する必要があります。

ドイツの制度の特徴は「日常事項」と「重要事項」の明確な区分です。子どもと同居する親は日常的な事項(食事、軽微な通院、日常の遊びなど)を単独で決定できますが、学校の選択、宗教、重大な医療行為、転居などの重要事項は両親の合意が必要です。

合意ができない場合は、まず「少年局(Jugendamt)」による調停が試みられ、それでも解決しない場合に家庭裁判所が判断します。法務省の資料によれば、この段階的な紛争解決の仕組みが、日本の新制度設計にも参考にされています。

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韓国の共同親権|2024年導入の最新事例

韓国は2024年に民法を改正し、離婚後の共同親権を導入しました。日本とほぼ同時期の法改正であり、東アジアにおける共同親権の先行事例として注目されています。

韓国の制度では、協議離婚の場合は両親の合意により共同親権を選択でき、裁判離婚の場合は裁判所が子の利益を考慮して判断します。日本の新制度とほぼ同じ構造です。

韓国では法改正に合わせて「共同養育支援センター」の設置や、養育計画書の作成支援サービスの整備も進められており、制度面だけでなく実務面のインフラ整備にも力を入れている点は日本にとっても参考になります。

海外事例から学ぶ日本への示唆

各国の事例から共通して見えるのは、共同親権の成功には「制度」だけでなく「実務インフラ」が不可欠だという点です。養育計画書の作成支援、調停サービスの充実、共同養育を支援するデジタルツールの普及が重要な役割を果たしています。

日本の新制度は、ドイツ型の「日常事項と重要事項の区分」とアメリカ型の「養育計画」の要素を取り入れています。法務省の解説でも、子の利益を最優先にした柔軟な運用が求められるとされています。

まとめ|日本の共同親権を成功させるために

海外の共同親権制度から学べる最大の教訓は、両親間のコミュニケーション基盤の整備が制度の成否を分けるということです。法律の枠組みだけでは不十分で、日々の養育における連携ツールが必要です。

ペア育児は、海外で実績のある共同養育プラットフォームの機能を日本の法制度に合わせて設計しています。意思決定記録、面会交流カレンダー、AIメッセージングなど、共同親権の実務を支える機能を提供しています。関連記事として共同親権はいつから?2026年4月1日施行のスケジュールと準備単独親権と共同親権の違いを徹底比較共同親権と監護者の違いとは?役割分担を解説もあわせてご覧ください。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、法的助言ではありません。個別の状況については弁護士等の専門家にご相談ください。

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