共同親権制度の施行日と法改正の全体像
共同親権制度は2026年4月1日に施行されます。これは2024年5月に成立した改正民法に基づくものであり、公布から約2年の周知期間を経ての施行となります。離婚後の親権制度としては、1947年の民法改正以来およそ80年ぶりの抜本的な変更です。
改正民法では、離婚時に父母が協議により共同親権を選択できるようになります。また、家庭裁判所が子どもの利益のために必要と判断した場合にも、共同親権を命じることが可能です。ただし、DV(家庭内暴力)や児童虐待がある場合には、従来通り単独親権が原則とされます。
施行日の2026年4月1日以降に離婚届を提出する場合から、新しい制度が適用されます。施行日前に提出された離婚届については、旧法が適用されるため、共同親権を選択することはできません。施行日直前に離婚を予定している方は、このタイミングに十分注意してください。
経過措置の内容と適用範囲
法改正には経過措置が設けられており、施行日前後の混乱を最小限にするための配慮がなされています。まず、施行日前に離婚が成立している場合、自動的に共同親権に切り替わることはありません。既に単独親権が確定しているケースでは、その状態が維持されます。
経過措置の重要なポイントとして、施行日前に調停や裁判が進行中の離婚案件についても整理されています。施行日をまたいで離婚が成立する場合、原則として施行日以降の新法が適用されますが、調停や裁判の進行状況によっては、旧法に基づく判断が維持される場合もあります。具体的な適用は個別のケースによるため、弁護士への相談をお勧めします。
また、施行後に新たに離婚する場合でも、共同親権は強制ではありません。父母の協議により単独親権を選択することも引き続き可能です。経過措置は、新制度への移行を段階的かつ柔軟に行うための仕組みであり、全ての家庭に一律の変更を強制するものではないことを理解しておきましょう。
既に離婚済みの方の対応方法
施行日前に既に離婚が成立している方も、一定の条件の下で単独親権から共同親権への変更を申し立てることが可能です。この場合、家庭裁判所に「親権者変更の審判」を申し立てる手続きが必要になります。申立ては父母の一方または双方から行うことができます。
家庭裁判所は、申立てを受けて子どもの利益を最優先に判断します。具体的には、両親の養育能力、子どもとの関係性、子ども本人の意思(年齢に応じて)、DV等の有無、現在の養育環境の安定性などが考慮されます。共同親権への変更が子どもの利益に反すると判断された場合には、申立ては却下されます。
既に離婚済みの方が共同親権への変更を検討する場合は、施行後すぐに申し立てることも可能ですが、まずは元配偶者との話し合いを試みることが望ましいです。双方が合意している場合は、家庭裁判所での手続きも円滑に進む可能性が高くなります。
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施行前に準備すべき5つのこと
施行日に備えて今から準備すべきことを5つ整理します。第一に、共同親権制度の内容を正確に理解することです。インターネット上には誤った情報も多いため、法務省の公式資料や信頼できる法律専門家の解説を参考にしてください。
第二に、元配偶者(または離婚予定の配偶者)との連絡手段を整備することです。共同親権では重要事項について両親の合意が必要になるため、円滑なコミュニケーション手段の確保が不可欠です。第三に、子どもの養育に関する重要な書類(学校関連書類、医療記録、保険証など)を整理し、必要に応じて共有できるようにしておきましょう。
第四に、養育費や面会交流の取り決めを見直すことです。共同親権の導入により、既存の取り決めの修正が必要になる場合があります。第五に、共同養育を支援するデジタルツールの導入を検討することです。意思決定の記録やスケジュール管理を効率化するツールは、共同親権の円滑な運用に大きく貢献します。
施行後のタイムラインと想定されるスケジュール
2026年4月1日の施行後、最初の数ヶ月は新制度への移行期間として、家庭裁判所や自治体の窓口が混雑することが予想されます。離婚届の新しい様式への対応、共同親権に関する相談の増加、親権者変更の申立ての増加などが見込まれます。
施行後3ヶ月程度で、新制度の運用実態が見えてきます。家庭裁判所での判例が蓄積されることで、どのようなケースで共同親権が認められるか、監護者の指定がどのように行われるかなどの傾向が明らかになるでしょう。
施行後1年を目途に、政府による制度運用の検証が行われる予定です。この検証結果に基づき、必要に応じて運用指針の改定やガイドラインの整備が行われます。新制度の成熟には時間がかかるため、施行直後だけでなく、中長期的な視点で制度の動向を注視することが大切です。
共同親権制度を成功させるための心構え
共同親権制度の成功は、法律の枠組みだけでなく、両親の意識と行動にかかっています。最も重要なのは、「子どもの利益を最優先にする」という原則を常に念頭に置くことです。元配偶者への感情と子どもの養育は、明確に分けて考える必要があります。
共同親権の運用においては、完璧を求めるのではなく、継続的な改善を目指す姿勢が大切です。最初から全てがスムーズにいくことは稀です。両親間で小さな成功体験を積み重ね、信頼関係を段階的に構築していくプロセスを大切にしてください。
共同養育を支援するツールの活用も積極的に検討しましょう。ペア育児のような共同養育支援プラットフォームは、意思決定の記録、スケジュール管理、費用管理などの機能を通じて、共同親権の円滑な運用をサポートします。なお、関連する情報として単独親権と共同親権の違いを徹底比較、共同親権の離婚届|記入方法と提出の流れ、離婚済みでも共同親権に変更できる?手続きと条件の記事もあわせてご参照ください。
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